活動紹介 : その他イベント | 2015/05/17

第2回 東京ジェインズ・ウォーク The 2nd Jane’s Walk in Tokyo 向島再見 "Re-discovery of Mukojima" (当日の様子)

2015年4月26日(日)、明治大学大学院理工学研究科新領域創造専攻との共催によるまちあるきイベント《第2回 東京ジェインズ・ウォーク The 2nd Jane's Walk in Tokyo 向島再見 "Re-discovery of Mukojima"》を開催いたしました。ジェインズ・ウォークは、都市計画思想に多大な影響を与えたジェイン・ジェイコブスを記念して、彼女の誕生日である5月4日前後に、毎年世界中で開催されるまちあるきです。日本での開催は昨年の中野に続いてこれが2回目。当日は、これ以上ないような好天に恵まれ、8つのチーム分かれた参加者が、多彩な視点で向島のまちを観察し楽しみました。

イベントは、ほぼ以下のような流れで進行。ガイダンスや発表に使用したのは、ユートリヤ4階にある元プラネタリウムのホール。発表の準備作業は、主にエントランスホールやホール脇のスペースを使って行いました。

9:30~  受付開始 10:00までに全員集合
10:00~ ガイダンス ジェーンズ・ウオーク(Jane's Walk)の進め方
10:10~ 各グループからWalkingテーマのプレゼン(各2分程度)
    → 希望コース提出(定員を超える場合は抽選になります)
10:45~ レクチャー Jane Jacobの精神「都市を活性化させるための4原則について」
11:00~ グループメンバー発表それぞれのグループに分かれ出発  途中のお店で昼食。
14:00~ ユートリアに集合 成果発表の準備 エントランスホールなど
15:00~ 成果発表(1グループ10分)
16:20~ Jane's Walk 向島総括  17:00  解散(懇親会あり、会費制)

ホール前で参加者の受付。会場設営や各ガイドのサポート役、会場やまちあるきの記録係など、当日は明治大学の学生のみなさんにご活躍いただきました。

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活動趣旨を紹介する向島学会の山本俊哉さんと、会場の様子。

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8つのチームのガイド役の講師から、以下のようにそれぞれのチームのお題とコースの説明がありました。

まちあるきグループのテーマとガイドとコース
(1)玉ノ井を訪ね、寺島なすを探す【ガイド】高木新太郎(向島学会)+倉石信乃(明治大学)【内容】永井荷風「墨東奇譚」の玉ノ井を歩き、写真を通して玉ノ井の今昔を語る。【東向島5丁目コース】ユートリア→東向島駅→玉ノ井いろは通り→玉ノ井カフェ→ユートリア
(2)路地のまちを五感で感じ素描する【ガイド】高原純子(向島学会)+鈴木俊治(明治大学)【内容】目で見るだけではなく、音を聴き、全感性を使って捉え、自分の手で記録する。【京島1〜3丁目コース】ユートリア→曳舟再開発→京島きらきら商店街→ユートリア
(3)B級建築&路上観察さんぽ【ガイド】曽我高明(向島学会)+北條元康(向島学会)
【内容】ポスト工務店 Bughausの2人と一緒に向島の面白建築や「トマソン」(超芸術物体)を探す。【墨田1〜2・5丁目コース】ユートリア→堀切駅→鐘ケ淵→現代美術製作所→ユートリア
(4)自然を探して路地を踏破する【ガイド】末永健治(向島学会)+菅啓次郎(明治大学)【内容】健脚を競いあい、向島の自然を探して路地をひたすら歩く。【八広1・5〜6丁目コース】ユートリア→八広の路地を北上→荒川土手→八広駅→ユートリア
(5)ドンツキの全周映像化【ガイド】斎藤佳(ドンツキ協会)+福地健太郎(明治大学)【内容】全方位ミラー使用の全周映像記録装置でドンツキ(行き止まり路地)を撮影する。【ユートリア周辺コース】ユートリア→ドンツキ→ユートリア
(6)向島の観光情報を聞き書きマップ化【ガイド】阿部洋一(向島学会)原田豊(科警研)【内容】GPSとデジカメとICレコーダを連想させたソフトで、デジタルマップをつくる。【向島5丁目コース】ユートリア→鳩の街商店街→路地尊→向島料亭街→ユートリア
(7)向島は動物園【ガイド】佐原滋元(向島学会)【内容】狐、亀、鼠、鳩、鶴、牛、蛇、河童等のレリーフを探し、そのエピソードを知る。【東向島1・3丁目などコース】ユートリア→動物のいる路地など→ユートリア
(8)向島をめぐるアートのはなし【ガイド】嘉藤笑子(向島学会)【内容】向島の文化的痕跡を辿り、アート的要素を探す。参加者の視点で記録・記憶化。

壇上で4班のコース説明をする末永健治さんと菅啓次郎さん。

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明治大学の鈴木俊治さんからは、ジェイン・ジェイコブスの提唱した「都市を活性化するための4原則」についてのレクチャーがありました。「(1)街区は、できるだけ多くの内部空間も含め、ひとつ以上、できればふたつ以上の主機能を持たなかればならない。(2)街区の長さは、短くなくてはならない。すなわち、町角を曲がる機会が頻繁になければならない。(3)街区の建物は、年代、状況が多様であり、さまざまな経済成果が挙がるものでなければならない。(4)どのような目的であっても、街には住民を含め、一定密度の、人の集積が必要である。」以上がその4原則ですが、これって、いずれも向島エリアの特色によく当てはまりますね。

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さて、コース分けも無事終了、それぞれのガイド役のもとに参加者が集まって、三々五々向島のまちへとくり出して行きます。

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3班と8班のまちあるきの様子。お昼ご飯を挟んで、約3時間の散策です。初夏のような気候で、歩いていると汗ばんでくるほど。

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まちあるきから戻ったら、各班に分かれての発表準備。写真は2班と6班。こんな具合に、ユートリヤの様々な場所を使ってミーティングを行いました(3班のみ現代美術製作所で実施)。

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3時からは、持ち時間10分で班ごとに趣向を凝らした活動報告。元プラネタリウムのホールの特性を活かして、5班の「ドンツキ」のように、全天周映像を上映するチームもありました。写真は4、5、7班の報告の様子です。

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講評も済み、無事に当日のプログラムが全て終了した後は、いつもの向島学会のイベントの「お約束」で、近くの居酒屋に集合して賑やかに打ち上げ・懇親会を開催しました。当日ご参加いただいたみなさま、サポートしてくれた学生のみなさま、それからガイドをご担当いただいたみなさま、どうもお疲れさまでした!

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なお、当日のまちあるきにつきましては、同じくジェインズ・ウォーク活動紹介(コース別活動紹介)に、班ごとにまとめたものをアップしていますので、どうぞそちらをご覧ください。